
ハイスピードプラスエリアモード(HS+A)って「どんな機能なの?」「どんな時に使えばいいの?」と疑問に思われる人は多いのではないでしょうか?
WiMAXの機能の1つということはわかりますが、具体的なメリットやデメリットについてよくわからないですよね。
実はハイスピードプラスエリアモードをよく知らずに使ってしまうと、追加料金が発生したり、急に速度制限がかかってしまう可能性があります。
そこで今回は、WiMAXユーザー歴5年以上の私が、ハイスピードプラスエリアモードの基本情報やメリット・デメリットを、どのサイトよりもわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください!
目次
1.ハイスピードプラスエリアモードとは?
ハイスピードプラスエリアモードとは、かんたんに言うと「WiMAXの性能を最大限まで引き出す機能」のことです。
標準モード(=ハイスピードモード)は、WiMAX2+回線だけで通信するのに対し、ハイスピードプラスエリアモードでは、WiMAX2+回線・LTE回線の2つを同時利用して通信します。
くわしくは後述しますが、ハイスピードプラスエリアモードを使うと、以下3つの性能が向上します。
- 【通信速度が上がる】:すぐにネットに繋げたい緊急時に通信できる
- 【通信できるエリアが広がる】:山間部・田舎でも通信ができる
- 【安定した通信ができる】:地下や、建物が密集した場所でも、安定した通信ができる
「良いことだらけじゃん!」と思うかもしれませんが、ハイスピードプラスモードの使用時にはいくつか注意点があり、はっきり言って使いこなすのは難しいです。
これからお教えする注意点をしっかり把握し、緊急時にのみ使用することをおすすめします。
2.ハイスピードプラスエリアモードの3つのメリット
まずは、ハイスピードプラスエリアを使うことで得られる以下3つのメリットをご紹介します。
知っているという方は、「3.ハイスピードプラスエリアモードの3つの注意点」まで読みとばしてください。
それぞれくわしく解説していきます。
メリット1.通信速度が上がる
ハイスピードプラスエリアモードを使うメリットの1つ目は、通信速度が上がること。
ハイスピードモード | ハイスピードプラスエリアモード | |
最大通信速度(下り) | 440Mbps | 1,237Mbps |
※下り:メールやファイルの受信、動画を再生する「ダウンロード速度」のこと。さまざまなサイトで表記される速度は、この下り速度です。
通常のハイスピードモードでも十分に早いWiMAXですが、ハイスピードプラスエリアモードを使うと、最大通信速度は約3倍になります。
速度が上がるヒミツ
通信速度が上がるヒミツは、WiMAX2+回線とau 4G LTEを同時利用することで速度をアップさせる「キャリアアグリケーション」という技術が使われていることです。
ハイスピードプラスエリアモードに切り替えると、2つの回線の同時利用によって、WiMAXの最大通信速度を1,237Mbpsに上げることができます。
メリット2.通信できるエリアが広がる
ハイスピードプラスエリアモードを使うことで、通常の「WiMAX2+回線」に加え「au 4G LTE回線」を利用できることをお伝えしました。
よって通信エリアは、以下のように広がります。
au 4G LTE回線を利用することにより、WiMAX2+回線が苦手な「田舎や山間部での通信」も可能になります。
SoftBank回線・docomo回線を利用するポケットWiFiに比べ、エリアが狭いとされているWiMAX2+回線ですが、ハイスピードプラスエリアモードを使うことで通信エリアを広げられます。
※WiMAXと、他のポケットWiFiの通信エリアの広さを比較したい人はつながりやすい・エリアが広いポケットWiFiはこれだ!を参考にしてください。
メリット3.安定した通信ができる
また、WiMAX2+回線とau 4G LTE回線を同時利用することで、安定した通信ができるというメリットもあります。
以下の画像に、それぞれの回線の特徴を表しました。
以下のように、ハイスピードプラスエリアモードは「au 4G LTE回線」「WiMAX2+回線」の2つの、良いとこ取りの機能だと分かります。
- 障害物が多い場所:au 4G LTE回線を利用し、安定した通信ができる
- 障害物がない場所:WiMAX2+回線を利用し、高速通信ができる
よって、通常時よりも安定した通信が可能となります。
3.ハイスピードプラスエリアモードの2つの注意点
ハイスピードプラスエリアモードの3つのメリットをみて、「ずっと使っていたい」と思ったかもしれませんが、そうもいきません。
WiMAXの性能を、最大限まで引き出せるハイスピードプラスエリアモードには、以下2つの注意点があるんです。
それぞれくわしく解説していきます。
注意点1.一度使っただけで追加料金がかかる
WiMAXのハイスピードプラスエリアモードを利用するには、通常の月額料金にくわえ、オプション代として1,005円の追加料金がかかります。
月に一回でも使うと料金を請求されるので注意が必要ですが、契約プランによっては無料で使える場合があります。
- 2年契約プラン:1,005円
- 3年契約プラン:無料
自分のWiMAXが2年契約プランの人は、通常モードで十分なネット環境である場合、ハイスピードプラスエリアモードを使わないようにしましょう。
注意点2.月間データ使用量が7GBを超えると速度制限がかかる
また、ハイスピードプラスエリアモードは月に7GBまでしか使えません。7GBを超えると、かなり厳しい速度制限ルールが適用されてしまいます。
「WiMAXは無制限(3日10GB制限つき)で使えるんじゃないの?」と困惑してしまうと思うので、くわしく解説していきましょう。
まずは以下の表をご覧ください。
←(左右にスクロールできます)→
基本ルール | ハイスピードプラスエリア使用時のルール | |
内容 | 直近3日間の合計データ量が 10GBを超えると速度制限がかかる (標準モード ・ハイスピードプラス エリアモードの合計) |
ハイスピードプラスエリアモードのデータ量が 月間7GBを超えると、速度制限がかかる |
期間 | 10GBを超えた日の翌日の 夜間18時〜26時まで |
月末まで |
制限時の速度 | 1Mbps | 128Kbps |
ギガ放題プランであっても、ハイスピードプラスエリアモードを使うと、3日10GBという基本ルールにくわえ、月間7GBまでの制限ルールが適用されます。
ややこしいので、以下の2点だけを頭に入れておけば問題ありません。
- ハイスピードプラスエリアモードで7GBを超えて制限にかかった場合、通常モードに戻しても制限はかかったまま(128Kbps)
- 通常モードで10GBを超えて制限にかかった場合、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えても制限はかかったまま(1Mbps)
また、3日10GB制限にかかっても1Mbpsは出ますし、制限も翌日夜間で解除されますが、ハイスピードプラスエリアモードによる7GB制限にかかったら月末までまったく使えません。
なのでハイスピードプラスエリアモードは、使うとしても絶対に月間7GBを超えないように注意してください。
※1Mbps:YouTubeの標準画質なら再生できるくらいの速度
※128Kbps:動画はもちろん、Webサイトの閲覧もままならない速度
※「ワンタイムHS+A」という機能を使えば、7GBを超えそうになると、自動でハイスピードプラスエリアモードを解除してくれるのでおすすめです。くわしくはこちらで後述します。
4.ハイスピードプラスエリアモードの設定方法
ハイスピードエリアモードの設定は、端末から手動でおこないます。
ここでは、最新端末でおすすめの「WX06」を例に、ハイスピードプラスエリアモードの設定方法をご紹介していきましょう。
- 画面を右にスクロール
- 「クイックメニュー」を押す
- 「通信モード」を押す
- 「HS+A」を押して設定完了
手順は上記の4つで、カンタンに設定できますが、参考程度に画像つきで解説していきます。
※ハイスピードプラスエリアモードが使える機種は、最新端末のWX06やW06、WX05、W05、 LO2です。今からWiMAXを契約する人はWX06・ W06から選ぶことになるので問題ありません。
まずは、画面を右にスクロールします。
すると上のような画面になるので、「クイックメニュー」を押してください。
次に、「通信モード」を押します。
すると以下の画面がでるので、「HS+A」(=ハイスピードプラスエリアモード)を押せば、その瞬間からハイスピードプラスエリアモードに切り替わります。
ワンタイムHS+Aの設定方法
WX06には、7GBを超えないよう、設定した通信量に達すると、ハイスピードプラスエリアモードが自動で解除される「ワンタイムHS+A」という機能がついています。
以下の手順で設定できます。
- 画面を左スクロール
- 「解除する通信量」を押し、通信量を6GBに設定する
ハイスピードプラスエリアモードは、7GB以上通信すると速度制限にかかってしまうので、ワンタイムHS+Aでは、「解除する通信量」を6GBに設定しましょう。
まとめ
紹介したメリットから、ハイスピードプラスエリアモードは、以下のような場合に便利な機能だと言えます。
- すぐにネットに繋げたい時
- 田舎・山間部で使いたい時
- 通信が安定しない地下で使いたい時
とはいえ、追加料金がかかってしまったり、速度制限にかからないよう管理するのが大変だったりと、使用時には注意点が多いです。
ハイスピードプラスエリアは、あくまで緊急時にのみ使うべき機能だと思っておいてください。