
「格安SIMにすれば安くなる」とは聞くけれど・・・。
なんとなく不安だったり、ややこしそうなイメージがありませんか?
先に言うと、格安SIMは、きちんと内容を理解しておけば安くて便利に使えるサービスです。
そこでこの記事では、初心者でもカンタンに格安SIMを理解できるよう、イラストを使ってメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
これまで、「ドコモ・au・ソフトバンクのショップに行き、店員さんから言われるがままに契約していた・・・」こんな人は必見です!
最後まで読めば、自分が格安SIMに乗り換えるべきかどうかがわかりますよ!
おすすめの格安SIMは「【2023年10月】格安SIMのおすすめを26社から比較!初めてにはこれ!」で紹介しています。
目次
1.格安SIMとは?
格安SIMとは、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)よりも「格安」で利用できる「SIMカード」のこと。
大手キャリアと格安SIMの違いをカンタンにまとめると、以下のようになります。
大手キャリア | 格安SIM | |
料金 | × 平均:8,313円(※1) | ◎ 平均:4,424円 |
通信速度 | ◎ 80〜100Mbps | ×〜○ 1〜30Mbps |
契約期間の縛りのゆるさ | ×〜◎ 契約によっては実質2年の縛りがあることも | ◎ 縛りがない、または1,000円で解約できる |
プランの数 | × 3つほどの容量プランしかない | ◎ 数多くの容量プランから選べる |
データ容量 | ◎ 多い(無制限のプランがあることも) | ×〜○ 少ない(1〜20GBほどが目安) |
サポート | ◎ 全国に専用店舗あり | △ オンラインのみの場合がほとんど |
格安SIMの特徴は、なんと言っても料金が安いこと。大手キャリアから乗り変えると、毎月のスマホ代が半額以下になることがほとんどです。
とはいえ安いのには理由があり・・・、通信速度やサポート面が不安なサービスもあるので注意が必要です。
メリット・デメリットをくわしく解説する前に、まずは以下の2点から見てください。
- そもそもSIMカードってなに?
- 格安で使える理由は?
※キャリア:MNO、格安SIM:MVNOとも呼ばれます。
そもそもSIMカードってなに?
まず、スマホは「スマホ本体+SIMカード」から成り立っています。
そしてSIMカードとは、契約者の情報や電話番号などが記録されているカードです。
携帯会社は、SIMカードを通して契約者を識別し、インターネット接続や電話回線のサービスを提供しています。
つまりスマホは、SIMカードが入っていてはじめて、インターネットや通話を利用できるんです!
※SIM:Subscriber Identity Module(加入者固有番号)の略
携帯会社の乗り換え=SIMカードの入れ替え
実は、携帯会社を乗り換えるのは意外とカンタン。いま契約している会社のSIMカードを抜いて、新しい会社のSIMカードを入れるだけでOKなんです。
なぜなら、先述したように、契約者の情報や電話番号は、スマホ本体ではなくSIMカードに記録されているから。
つまり、格安SIMに変える=「格安のSIMカードを提供している携帯会社に乗り換える」ということになります。
※SIMカードについてくわしく解説しやすい
格安で使える理由は?
※引用:総務省 携帯電話ポータルサイト
格安SIMがその名の通り「格安」で使える理由は、設備の維持費や人件費がかかっていないから。
上の画像のように、格安SIM(MVNO)各社は、自前の回線を持っておらず、大手キャリアからレンタルしてサービスを運営しています。
さらに、店舗(ドコモショップ・auショップなど)を持たずに、オンラインでのみ申し込みやサポートを受け付けている会社がほとんどです。
格安SIMは、回線の基地局や専用の店舗が無い分、格安でサービスを提供できています。
2.格安SIMのメリット3つ
大手キャリアと比べた格安SIMのメリットは、以下の3つです。
- 月額料金が安い
- 契約期間の縛りがない・ゆるい
- さまざまなデータ容量のプランから選べる
順に解説します。
メリット1.月額料金が安い
格安SIM最大のメリットは、月額料金が格安であること。
MMD研究所が、3大キャリア利用者10,793人にアンケートをとったところ、携帯料金は平均で8,313円もかかっているとわかりました。(2020年11月時点)
格安SIMは、3大キャリアの半額以下で使えることもあるので、どれだけお得になるかがわかりますね。
月々1,000以下で使える格安SIMもある
格安SIMの中には、月額料金が1,000円以下のサービスもあります。たとえば、IIJmioは1GBプランが858円、ocnモバイルは770円です。
これまでキャリアを利用していた人にとっては、スマホ代が1,000円以下になるのは衝撃的ですよね・・・。
メリット2.契約期間の縛りがない・ゆるい
格安SIMには、契約期間の縛りがないことがほとんど。あったとしても、解約金は最大で1,000円までしかかかりません。
したがって、もし契約して気に入らなければ、好きなタイミングでサクッと解約できます。
※2019年10月1日に施行された「改正電気通信事業法」により、携帯の解約金は最大で1,000円に設定されています。
大手キャリアは実質的な縛りがあることも・・・
大手キャリアも、同様に解約金は最大1,000円となっています。ですが「実質的な縛り」があり、解約しづらいパターンがよく見られるんです。
たとえば、大手キャリアでは「スマホと固定回線のセット割」のキャンペーンが有名です。
セット割で問題なのは、スマホには縛りがなくても、固定回線に2〜3年の縛りがあること。期間内に解約すると、3万円ほどの解約金がかかってしまうことも・・・。
もちろん、固定回線を解約せず、スマホだけの乗り換えもできます。ですが、乗り換えによってセット割がなくなれば、固定回線の料金が上がってしまいます。
したがって、結局スマホを解約できない「縛り」のようなものがあるんです。
その点格安SIMは、解約がしにくくなるようなキャンペーンや割引は一切ないので、安心して使えます。
メリット3.さまざまなデータ容量のプランから選べる
格安SIMは各社、5〜10ほどのプランを用意しています。なので、自分に合ったデータ容量のプランが見つかるはずです。
一方、たとえばドコモでは、無制限・60GB・1〜7GBの段階性のプランしかありません。
これだと、「自分が毎月使うデータ量は10GBほどなのに、ちょうどいいプランがない!」なんてこともしばしば。
その点、さまざまなデータ容量のプランがあるのは、格安SIMのメリットと言えます。
3.格安SIMのデメリット4つ
ここまでを見ると、「格安SIMはいいこと尽くしだ!」と感じるかもしれません。
ですがちょっと待ってください!乗り換えを決めるのは、以下4つのデメリットをきちんと理解してからにしましょう。
- たくさんの人が使う時間帯は速度が遅くなりがち
- 店舗を持っていない場合が多い
- データ容量が少ない
- 初期設定はすべて自分でしなければならない
順に解説します。
デメリット1.たくさんの人が使う時間帯は速度が遅くなりがち
格安SIM最大のデメリットは、たくさんの人が使う時間帯(休みの12〜13時や、ネットがよく使われる18時〜20時など)に、通信速度が低下しがちな点です。
ネットサーフィンやLINE程度では、速度が遅くても問題はありません。ですが、動画やアプリのダウンロードをする際はストレスを感じるでしょう。
格安SIMの速度が安定しない理由
格安SIMは、大手キャリアが持っている回線の一部だけをレンタルしてサービスを提供しています。
そのため、借りている回線に対して利用者がたくさんいればいるほど、通信が遅くなりやすいのです。
デメリット2.店舗を持っていない場合が多い
格安SIMは、基本的に店舗を持っていません。なので、申し込みやサポートは、すべてオンラインになってしまいます。
その点、大手キャリアは全国に専用ショップを構えているため、専門のスタッフさんから直接サポートを受けられます。
スタッフさんから直接サポートを受けたい人には、格安SIMは向いていません。
その分、オンラインサポートは充実している
ただ格安SIMは、ショップがない代わりに、オンラインでのサポートに力を入れています。
電話やメールでの問い合わせはもちろん、AIチャットで24時間質問ができたり、必要であれば専門知識のあるオペレーターにつなげられるんです。
このような仕組みがあるため、サポートが必要な人も、まだ安心できるでしょう。
逆にサポートが不要な人には、メリットだらけ!
サポートが不要な人にとっては、オンラインですべてが完結するのはメリットでしょう。
店舗の混み具合や営業時間を気にせずに手続きができるからです。
デメリット3.データ容量が少ない
格安SIMが用意するプランは、数こそ豊富なものの、データ容量は少ないものがほとんど。
その点、キャリアが用意するプランはデータ容量が多く、速度制限を気にせずに使えます。
格安で提供するには、データ容量を少なくしなければならないので、仕方ないことではありますね・・・。
データ容量が多いプランを用意している格安SIMもあるが・・・
一部の格安SIMでは、データ容量の多いプランも扱っています。ですが、データ量が多いプランは料金が割高になってしまうので、格安SIMに乗り換える意味がありません。
格安SIM(BIGLOBE)とキャリア、それぞれのデータ量と料金を見てください。
携帯会社 | データ量 | 月額料金 |
格安SIM | 1GB | 1,400円 |
3GB | 1,600円 | |
6GB | 2,150円 | |
12GB | 3,400円 | |
20GB | 5,200円 | |
docomo | 100GB | 6,780円 |
格安SIM | 30GB | 7,450円 |
au | 無制限 | 7,480円 |
SoftBank | 50GB | 7,480円 |
(以下、すべて税抜き)
この表からわかるように、格安SIMは、20GB以下のデータ量を使えば、キャリアよりも安く使えます。
そのため、1ヶ月で使っているデータ量が20GB以下の人が、格安SIMに向いている人と言えるでしょう。
デメリット4.初期設定はすべて自分でしなければならない
格安SIMでは、初期設定(APN設定)をすべて自分でする必要があります。
ショップ店員さんが代わりにしてくれるキャリアと比べると、少し面倒ですよね。
各社、わかりやすい説明書を用意している
ただ、格安SIM各社のWebサイトには、設定方法や説明書があるので、意外とカンタンにできますよ。
格安SIMとしては、このデメリットのせいで乗り換えてもらえないのは困るので、画像や動画付きのわかりやすい内容となっています。
その他の細かいデメリット
ここでは、比較的細かいデメリットをまとめました。以下の4つを解説します。
- 「完全かけ放題」の通話オプションがない
- キャリアメールが使えない
- LINEのID検索が使えない
- テザリングができない場合がある
「完全かけ放題」の通話オプションがない
格安SIMでは、「1回10分まで」や「トータル60分」など、制限のあるプランしかありません。
ただし、無料通話ができるLINEなどのアプリを使えばいいだけなので、完全かけ放題がなくても問題はない人が多いでしょう。
キャリアメールが使えない
「@softbank.ne.jp」や「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールは利用できません。
ただし、LINEやGmailなどのフリーメールが快適に使えるため、ほとんどの人はキャリアメールが必要ないでしょう。
LINEのID検索ができない
ID検索はできませんが、QRコードやふるふる機能で友達を追加できるため、問題ないでしょう。
テザリングができない
一部の端末では、テザリングができない場合があります。格安SIMの公式サイトでテザリングが可能か確認できるので、利用したい人はあらかじめチェックしておきましょう。
ただ、iPhoneなどの人気端末であれば、ほとんどの会社で問題なく使えます。
4.格安SIMが向いている人・向いていない人
格安SIMのメリット・デメリットは、上記の通りです。
したがって、格安SIMが向いている人・向いていない人は、以下のようになります。
格安SIMが向いている人 | ・毎月のスマホ代を抑えたい人 |
格安SIMが向いていない人 | ・常に快適な速度で使いたい人 ・毎月のデータ使用量が多い(目安:20GB以上)人 ・店舗で直接サポートを受けたい人 |
キャリアから格安SIMに乗り換えると、間違いなく料金が安くなります。
ただし、時間帯によっては速度が遅くなる・データ容量が少ない(データ容量が多いプランは割高)・店舗がないなどのデメリットも。
自分にピッタリなのかどうか、きちんと上の表を見てから格安SIMに乗り換えてくださいね。
まとめ
格安SIMは、キャリアから乗り換えることで月々のスマホ代を安くできます。
この記事で解説したデメリットを、きちんと確認してから乗り換えてくださいね。